母手帳 -ははてちょう-

2022/12　多摩美術大学情報デザイン学科情報コース〈卒業研究制作〉

　”母”とは、どういう生き物なのか。その疑問のもと、1人の女性から母になるまでの過程を一冊の本にまとめた作品です。

○母について

家族や父ではなく、母にフォーカスした理由は妊娠出産の経験を経ているからです。一般的に母になる過程で必ずある妊娠と出産は、体に大きな変化が伴います。無事に産まれてくる事もあれば、帝王切開や不妊など様々な障壁があり、そこにはただ「産まれてきて幸せ」だけでは表せない、感情の起伏があり、言葉だけでは伝えられないものが隠れていると考察しました。

○研究について

感情という、目に見えない情報を可視化することに試みました。

実験では工程が２ステップあります。一つ目は、インタビューです。当時の体験を聞き出し、より当時と近い感情を思い出してもらいます。

二つ目が、表現です。キャンバスに、回答ごとの気持ち・感情を絵の具を使って描いてもらいました。

○製本について

被験者の方に描いて頂いた絵以外に、素材やタイポグラフィを用いてより視覚的な情報と感触から感情を読み取れるよう、編集しました。実際に見て、触れるて、読むことでしか読み取れない感情表現を目指しました。